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2020年2月4日火曜日

ある「BC級戦犯」の手記



冬至賢太郎 著
山折哲雄 編

福岡刑務所から
巣鴨プリズンへ入所。
絞首刑判決となり その後減刑。
この間の 日記をまとめた内容でした。
後半は 短歌、俳句なども入っていました。
そして絵心があったようで 巣鴨プリズンの版画の絵もありました。

冬至さんは
死について そして家族などへの執着などについて
どうしたら 心穏やかに その時が迎えられるかと
仏教の本について 色々学んだり
この巣鴨には 岡田資さんもいたので
岡田さんの部屋に行って色々学んだそうです。
岡田さんは 映画「明日への遺言」でしか知っていませんが
わが命よりも 部下の命を救う事
そして 自分のやったことは 間違っていないと堂々としていた方です。

この 巣鴨プリズンにいた 他の 死刑囚は冬至さんも含めて
同様の 状況でした。
確かに 敵国の人を殺してしまったけど でも上からの命令だったり
冬至さんは 自分の母親が(非戦闘員)爆撃で死んでしまったので
処刑をする担当に立候補したけど 殺しが好きで やったわけじゃない。

途中から変わった 教誨師は 死刑囚の人にものを言える立場ではない。
自分も同じ罪びとであると。 だから 説教を説けないという姿勢だった。
この田嶋隆純さんは 死刑囚の命を救うために 命を削って奔走されたそうです。

多くの戦犯として死刑となった人達の心境は 私たちには図り切れません。
この冬至さんは 冷静に自分を見つめて 日記を書いています。
他の方も 岡田さんのお話を伺ったりして 穏やかにその時を迎えているようですが
心の中は 色々ぐるぐるしていただろうと思います。

多くの人の命を奪った 戦争。
終わった後も こうして 命が失われていく。
本当に 二度と起こしてはいけません。

こういう本は 多くの人にも読んでもらいたいです。

が、すみません。今回のこの本の 和歌や俳句は 私には ちょっと ハードル高かったです。 でも、死刑囚となっても 季節を感じ 表現できたというのは 凄い人だと思いました。

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